昨日、新潟の県民会館で行われた吹奏楽コンクール、西関東大会で私が講師を
勤めている松伏高校吹奏楽部が、A部門(50人編成)の部で初の全国大会出場を
成し遂げました。おめでとうございます。
今年度は部員も増え、初のA部門挑戦でしたが、見事、難関を突破しました。
これは、凄いことです。日本中探しても、初A参加で全国大会まで駒を進める
吹奏楽部は、なかなか無いでしょう。もしかすると、史上初かもしれません。
松伏高校の吹奏楽部の歴史を、ちょっと振り返ってみましょう。
2003年が今の体制での吹奏楽部が初めて吹奏楽部に参加した年で、その年から
私は松伏高校音楽科の非常勤講師を勤めていますので、現在まで、吹奏楽部のコンクールでの演奏をすべて聴いている唯一の関係者になってしまいました。
個人的なことを言えば2002年まで、ドイツに留学していたのですが、
前々顧問、宮本陽一先生(現大宮光陵高校)に誘われて松伏高校の講師に
なったのが2003年なのです。
初めて吹奏楽部の演奏を聴いたのはその2003年の夏休み前、コンクールに出る・・
という話をきいて、宮本先生に「ちょっと手伝ってくれよ・・」と言われたのが
きっかけです。その年までは、吹奏楽部という形では、活動していませんでした。
それ以前、1992年までは普通科の生徒さんだけの吹奏楽部があり、コンクールにも
参加していたようですが、その後、その部活動は解散状態でした。2003年の時点では
吹奏楽部というものは存在せず、音楽科の管楽器打楽器専攻の生徒が、週2回ぐらい
合奏をしていただけで、放課後の練習はほとんどしていませんでした。
音楽科の生徒さんですから、多少、技術はありますが、その練習量ではさすがに
まともな演奏もできるわけもなく、その演奏は「寒い」ものでした。
2003年は、しかしその音楽科の吹奏楽にも転機が訪れました。まず、合奏という
授業があるのですが、その講師に、丁度芸大を退官された山本武雄先生が就任。
毎週、授業ですが吹奏楽を教えて頂けるようになりした。
そして、少しずつですが生徒も吹奏楽に対して、興味と関心を持つ生徒がでてきました。
夏休み前に、吹奏楽コンクールの申し込みの時期でしたが、宮本先生のところに
数人の3年生の音楽科の生徒が「コンクールにでたい」と申し入れてきました。
宮本先生は「本当にやる気があるなら、出てもいいが、出るなら、東日本(小編成の
全国規模の大会)までいくつもりでやらないと意味がない」と答えたそうです。
それに、生徒は答え、練習が始まったのですが・・。当初は、やる気のある子は
3割ぐらい・・1,2年生など、テンションが低く、30分も練習したら、居眠りをし、
集中が続きません・・。練習を見学に言った私も「これじゃ、見込み無いから
帰るわ・・」と、帰ってしまったことが何度もありました。
そのやる気のない連中が、県大会を突破したころでしょうか・・目つきが変わって
来ました。すこしずつ「やればできるのかも」と感じ出したのです。
元々、音楽科ですから基礎的な奏法はできていますし、上手な子も居ました。
上手くなる素質はあったのです。その上、山本、宮本両先生の情熱で、
みるみる上達、西関東大会のときは(運もありましたが・・・)良い演奏で
初の東日本大会(偶然にも、やはり新潟でした)に出場できたのです。
その後、宮本先生の指導のもと2004、05と3年連続で東日本大会で金賞。
06年は臼木忠臣先生、07は現在の小川先生と顧問は入れ代わりましたが、
東日本4年連続金賞、西関東大会5年連続金賞という小編成部門で、大きな
実績を残しました。巷では、「人数がいるのに、B部門に出ていた」と言われることが
ありますが、それは、松伏高校の場合は当てはまりません。音楽科の生徒は
必ずしもコンクールに参加はしませんし、部員全員が強制的にコンクールに出る
わけではなく、07年までは、とてもA部門(50人)の編成を組める人数はいませんでした。
(07年など、ホルンは1人だけでした!)
今年(08年)は、顧問小川先生の努力や、過去の実績によるものを大きいのでしょうが、
部員の入部、経験者の入部も多く、A部門の参加を決めたのです。
また、東日本時代は、音楽科が中心でしたが、今年度はメンバーの半分
(半分以上かも知れません)が、普通科の生徒であり、音楽科の生徒に代わって
重要なパートを演奏していることも少なくありません。
もちろん、A初参加で、全国というのは、素晴らしいことなのですが、
私は前々から見ていますから、十分に実力、経験を蓄えているので、
けっして、意外な結果ではありません。今年は、私のアレンジでない
クラシック路線でない曲を選択していますが、それによって何か、バンド
の性質が大きく変ったわけではありません。伝統的に美しい音色を持っていることなど、
変わらない部分が大きいと思います。もちろん、小川先生の音楽性が浸透したこと、
三善先生の曲、天野氏のアレンジの素晴らしさ・・今年ならではの要素もあり
ますが、基本的なバンドの性格というのは、不思議なことになかなか変わらない
ものがありますし、「松伏高校の演奏」という一つ雰囲気は、確実に出来てきている。
すなわち、それが「伝統」というものなのではないでしょうか?
また、巷の誤解「B部門でやれても、A部門では無理」というものは、覆せたと
思います。AもBも関係ない。しっかり音楽を作れれば、良いわけです。
B部門のトップは、間違いなくA部門でも通用します。その差は編成(人数)の差
であって音楽や、レベルの差であってはならない・・と思います。
それを、松伏高校の吹奏楽部は証明したことも、私には嬉しいことです。
ともかく、おめでとう。普門館でどんな演奏をするか、今から楽しみです。
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